三奈

進行の遅い病気みたいに
じわじわと夕暮れは迫りくる

真っ赤な空に鳴り響く危険信号
私がどんなにもがいても
「たいよう」は水平線の向こう側に
沈むでしょう

そう決まっているのなら
どうか、一刻も早くピリオドを

長ったらしい“過程”なんていらないよ
蛍光灯を消した時のように
一瞬で迫りくる闇を私に頂戴




今日も青い空の下
「たいよう」みたいな
君が笑う

君もいつかは沈むなら
陰りなど見せずに
ただ現実だけを突きつけて

一瞬で迫りくる闇を私に頂戴

できれば早いうちがいい
私が君に依存する前に
夜行性でいられるうちに

私を嫌いになる過程など見せないまま
水平線の向こうに
帰ってよ

光に慣れていない蛾の私は所詮
「たいよう」に似合う綺麗な蝶にはなれないのだから



自由詩Copyright 三奈 2009-10-17 23:46:25
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