「ユーモラスに憂う、抗酸化シリアスという名の浄罪を飲み込んで」
Leaf

至って健全なバイタルサインを見逃してからというもの
酸に塗れた空気に触れる度
気真面目さが仇となるよ

だからシグナルを送るよ
赤紫色の快楽主義者たちへの賛同

だって自分の体内を駆け巡る血は赤黒いし
結局流行り廃りは著しい死語の世界

「鈍感力」の申し子たちや
ゆとり教育の残滓が散乱してるからね


シュミレーションばかりで
イマジネーションは乏しく、
自己防衛だけの脳内擬似体験が
宛ら如何にもと語り始める危険信号
笑えばいいのさ、片目外して
滑稽にして有耶無耶だ
過敏に神経尖らせて、馬鹿らしい


しかし、あれだ
染みついた習性は
そう容易くは変えられない
それは何だ


独りでに瑞々しい刃先に滴る
一滴の雫の揺蕩う様子は
自らを捧げる贖いの心
床に滴り落ちる血溜を見下ろして
少しずつ少しずつ違えるけれど


もうすぐでしょ?
酸に抗う生命体の
一頻り飢える姿形が醜いと思えるのは
生まれ死するまでの短い期間
たったそれだけの間なのに
奥深く潜む藻に絡まって
身動きとれないという暗示
ビリジアンな呪縛も
見て見ぬ振りが常道


霧に映る芯、真、心
真摯な瞳孔に笑い掛けてくれ


そしてユーモラスに憂う、抗酸化シリアスという名の浄罪を飲み込んで


自由詩 「ユーモラスに憂う、抗酸化シリアスという名の浄罪を飲み込んで」 Copyright Leaf 2009-10-16 18:59:26
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