ひみつきち
ミツバチ

「しーっ」
声をひそめた
二人の小さな世界は
好奇心とドキドキで
光を放つ

幼い横顔の天使は
森の奥に住んでいて
いつか来る
ヘンゼルとグレーテルを
お菓子の家で待っているの

そんなお伽噺をする
君の唇は赤くて
食べちゃった
甘いケーキのように
柔らかくて
握った手が濡れていく

「秘密だよ」
星屑が降る暗闇に
約束を交わした
唇に指を立てる
君がとても可愛くて
くすくすと笑いあった
一時の世界は
風に乗って
三日月と戯れる


自由詩 ひみつきち Copyright ミツバチ 2009-10-16 10:23:06
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