今宵の待合室
中原 那由多

余韻に浸ることもせず
整理整頓に勤しんだ
空になったスチール缶はまるで
私に代わって愚痴を溢してくれそうな気がして

現在、机の隅で待機中


誰も尋ねやしないだろうから
ここぞとばかりに欲を出す
愛嬌のある出鱈目を
必死で否定したものだから
仕方無しにつまらない毒を一つ吐き
禁断の愛は滑稽な時間を紡がされた


淡白な味付けに油断して
処女の背中を危険に感じた
ほつれた糸を切り落とし
正当な理由でほくそ笑む

乱用された反動形成
お前には悪いがいいざまだ


初なものをびしょ濡れにして
描いて消してを繰り返す
誰も触れない場所にあり
飽きたらその後は……。

現在、ベッドの下で待機中




自由詩 今宵の待合室 Copyright 中原 那由多 2009-10-15 22:48:16
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