今宵の待合室
中原 那由多
余韻に浸ることもせず
整理整頓に勤しんだ
空になったスチール缶はまるで
私に代わって愚痴を溢してくれそうな気がして
現在、机の隅で待機中
誰も尋ねやしないだろうから
ここぞとばかりに欲を出す
愛嬌のある出鱈目を
必死で否定したものだから
仕方無しにつまらない毒を一つ吐き
禁断の愛は滑稽な時間を紡がされた
淡白な味付けに油断して
処女の背中を危険に感じた
ほつれた糸を切り落とし
正当な理由でほくそ笑む
乱用された反動形成
お前には悪いがいいざまだ
初なものをびしょ濡れにして
描いて消してを繰り返す
誰も触れない場所にあり
飽きたらその後は……。
現在、ベッドの下で待機中