屋上ナイフ
ゆうと
ほんとうにすぐ、
いちばんだいすきなものだって
すてられてしまうんだ
わかっていたんだ
だからこわいの
ぼくはぼくをすきになれない
きらいになれるじゆうがこわい
きみもいつだってしねるだろ
ぼくはいつだってころせるじゅんびをしているし
いつだってしねるんだ
ただ、しぬのはいつだってきみだ
ころすのはいつだってぼくだ
そういうのがせかいなら
じぶんなんてものはじつにたやすい
ぼくは
いつまでたってもいなくなれないし
いつまでたっても、しねないんだ
だからといって
それがなんだ
わからないんだ
ぼくにはぼくが
せかいであることでしかない。