蛇つかいたちの行進
吉岡ペペロ

ふたりの蛇が絡みあい

とぐろを巻いてぼたっと置かれている

私たちは睨みあう

舌をちょろちょろさせ

鎌首をシュパッと突きあわせ

私たちは今、威嚇しあっていた


私はちいさな蛇だ

むこうはおおきな蛇だ

生きているということ以外

おなじ土俵にのっているものは何もない

おなじ蛇ではあるけれど

むこうに比べれば私は蛇ではない

蛇もどきのミミズのようなものだ


私は蛇つかいにならなければならない

たとえば、三つ攻撃されたら

五つ、六つ、と受けていかなければならない

九つ、十、と受けていかなければならない


私は蛇もどきのミミズではない

私は蛇つかいだ

ふたりで階段をのぼってゆかなければ

なにかの行進のように

ふたりで階段をのぼってゆかなければ


ふたりの蛇が絡みあい

とぐろを巻いてぼたっと置かれている

私たちは睨みあう

舌をちょろちょろさせ

鎌首をシュパッと突きあわせ

私たちは今、威嚇しあっていた


自由詩 蛇つかいたちの行進 Copyright 吉岡ペペロ 2009-10-15 12:36:41
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