台風一過
吉岡ペペロ

町の夕方がきらきらしていた

台風一過のレモンの色で

ほどけた空が明るくなっていた

それを美しいと思えることが

いついかなるときもそうあれるように

三百万年まえも

三百年まえも

ひとは美しいものを

美しいと思いたかったはずだ

夕べ裏切られ

鏡をうしなってしまった僕のように

それを美しいと思いたかったはずだ


自由詩 台風一過 Copyright 吉岡ペペロ 2009-10-11 17:55:36
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