絆
nonya
何度もあなたを殺していた
言えなかった言葉を尖らせたナイフで
いつの間にか覚えてしまった
人格者の微笑をまとったまま
何度もあなたを殺していた
愛憎の糸がこんがらがったロープで
いつの間にか背中に貼りついた
偽善者の紋章を背負ったまま
一度だけあなたは死んだのに
地平線から湧き上がるあなたの雲は
たびたび僕の地図に冷たい雨を降らせる
確かにあなたは死んだはずなのに
理路整然と刻まれたあなたの道は
しばしば僕の馬車を途方に暮れさせる
自由詩
絆
Copyright
nonya
2009-10-10 14:29:37