『夜の窓辺』
あおい満月

スライドする
夜の窓辺

あかい灯が
高速に乗って流れていく

ひかりの背に乗った
過去と未来

一秒先の遠い未来より

今があることが
今であることが

こんなにもあたたかい

(焦る必要はないんだよ)

見えない声が
肩を叩く

誰もが眠る
夜のバス

瞳は明日へと開きながら

瞼に残る
一抹の不安は何だろうか

夜の窓辺は更けていく

そこに手を翳すと
しろい霧がうまれる

なぞる指先が

なみだになる



                         2009.10.8(Thu)


自由詩 『夜の窓辺』 Copyright あおい満月 2009-10-10 13:10:08
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