記憶の森
北星三天






白と黒の樫の木の時
過ぎ去った羽根を伸ばす木菟


折れ曲がった追憶



無口な星と人の間
単音の呼び声



ほう



ほうっ


どこまでも広がる記憶の絵
重なる葉は口に溢れ
森を描き夜深く埋まる





研ぎ澄まされた

それは


闇雲に心の眼を灯す




反射する音の滝が
光りに映ること無く
耳の奥の肌を撫でる



その奥の血の肌までも触れる





何処でも無く
何時でも無く

ここは何処でも無く
ここは何時でも無く



白と黒の記憶の縁取り
顔を無くした古い夜



木菟の胸の内にある息が


ゆっくりと


ゆっくりと







記憶の森の夜に溶けて

広がっていく




自由詩 記憶の森 Copyright 北星三天 2009-10-09 21:41:00
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