あれは風の強い日
鳥たちは身を潜めて
星は口をつぐみ
月が涙を溢して
小さな命が産まれた

静かに響く
祝福の歌
力強く鼓動を刻み
生きている証を記す

温かく差し伸べられる手に
導かれた人生
時には迷い
悩み
空に嘆いて
歩みを止める

誰かの救いの声さえも
気づかないで
卑屈になる私を認めて
貴方は優しく笑った
暗闇に差した光に
涙を流した

いつしか月日が流れ
貴方の子を産み
育て
愛を与える
手を繋ぎ
私の人生を優しく諭した
愛しい人達が
空へ旅立つ月日に
彼等が残した道標を
幼子に話ながら
安らかに楽しんで
人生を謳歌していく

私の歩んできた道は
けして美しくはない
けれど
私の最後を
多くの涙が惜しんでくれたなら
良いものだったのかもしれない

あれは風の強い日
鳥たちは身を潜めて
星は口をつぐみ
月が涙を溢して
一つの命が終わる

生まれては
消えていく
そんな運命の中に
生きている私達だから

いつかまた会いましょう
けしてさよならは
口にしないで