おもいりんご
KUM

眠っていると
乗っているのです

おっきなりんごは
熟した匂いを漂わせ
静かに
ずっしりと
お腹の上にいるのです

あなたは
夢の中では私にたべられ
起きている間は
何とも静かに
乗っています

その重さはちょうど私を安心させ
ふとんとあなたに守られて
わたしはきょうは
空を飛ぶ夢を見ました

わたしは地上すれすれをふわふわと漂い
見覚えのある古い街で
素敵な人と出会ったのです

その朝目覚めると
あなたはもういなくて
ほのかに甘い匂いがわたしを切なくさせました


自由詩 おもいりんご Copyright KUM 2009-10-08 23:33:43
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