号泣したことを後から君が恥ずかしいと思ったとしても
kauzak
二十歳すぎの男が
号泣という言葉にふさわしい
滂沱の涙を流して
人目を憚らず泣いていた
その涙は僕には絶対に経験できない
と
断言出来てしまう自分のこれまでの生きざま
が悲しいのだ
涙を流した理由には意味がなくて
けれど涙を流すに至った経緯が意味を孕むことがある
どれだけ全力でぶつかってきたか
どれだけ全力で生きてきていたか
傷つくことを恐れる僕は
あたり障りのない言動と行動を繰り返して
生の自分に誰も触れさせないように
うずくまってきたのだ
何かを成し遂げたことがない僕は
これまでの過去のすべてが
誰かから/何かから赦されることで成り立ってきた
と
感じてしまう僕は
滂沱の涙を流す君には敵わない