国道6号線の走行
しだ  よう

目の前に赤い目玉六つ
三つのちいさな目玉三つ
それがひとつがい
それ大型トラックのテールランプ。

それ追って私走行
大型トラックを突き抜けていきたい
テールランプの間を。

その向こうへ行きたい。

そしたらまた軽自動車のまんまるの目玉ふたつ。

それを突き抜けて
そしてまた突き抜けて。

次々車を
ぐんぐんと。

私のからだ削ぎ落とされて。

ひとつひとつのパーツかるがる剥がれて。



最後はシートとハンドルとアクセルと私が。

最後はシートとハンドルとアクセルが。
すーーと軽快に走行。


私を白い中空に残して
私、頭さかさまくるくる浮遊して。


シートとハンドルとアクセルが。
すーーと軽快に走行。



自由詩 国道6号線の走行 Copyright しだ  よう 2009-10-06 13:06:56
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