どこか遠くで
吉岡ペペロ

十月の午前の窓は開いていた

どこか遠くで冷やされた風

部屋はあのときの青に澄んでいた


十年ほどまえ商用で行ったアルゼンチン

仕事を昼までに終え

通訳兼運転手の日本人が連れて行ってくれたのは

青空のした他にはなにもないサッカースタジアムだった

十月の午前のひかりは

あのときの澄んだ青いろに似ている

巨大なスタジアムのまえで

僕は地球にほうり出されたような気持ちになったのだ


十月の午前の窓は開いていた

どこか遠くで冷やされた風

部屋はあのときの青に澄んでいた





自由詩 どこか遠くで Copyright 吉岡ペペロ 2009-10-04 22:11:29
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