ウルル 〜エアーズロック〜
橘祐介

ウルル 〜エアーズロック〜



気を失うほど大きな岩

アボリジニーの聖なる地

地球のへそと言われる大きな岩

幾億年、赤い砂漠で時を待つ

風よ、太陽よ、月よ、、星よ

みなの咆哮に何をなす

風は強く、陽は燃え上がり、赤い大地は静かに眠る

漆黒の空に銀の星、鏡のような月を抱き

幾億年横たわる

低き笛の音、遥かな星に届き

天の恵みは大地を濡らす

唱よ、涙よ、歓喜よ、踊りよ

ああ、その大きな身体は地球そのもの

赤い葡萄酒を大地に飲ませ

聞こえない天の声を聞く

幾千年続いた宴のはてに

赤い岩が横たわる

近寄るでない

ここは聖なる地

ここは地球の命そのもの

大いなる光を肩に

黄金色の夜明けに身を染めて

すべての闇も光で裂いてみせようぞ

夜明けの金色の太陽の雫に

渇いた瞳は濡れ染まる



自由詩 ウルル 〜エアーズロック〜 Copyright 橘祐介 2009-10-04 12:56:14
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