摩 訶
北星三天







ラテンの猫
粘土の焼けた瞳
河の流れを胸に秘め

光沢の粒を晒す

記憶の階段を
駆け下る



コツン



静まり返った月色のススキ野
突然と偶然は手を繋ぎ

ラテンの猫
筆の流れ色は尾を引く



最初に見つけたの(だあれ)

羅紗を巻き逃げ出した
褪せた誇り

黴臭い理屈屋は鋏を研ぐ
我こそは至高と嘘を吹く
音色の無い音を吹く



塊の輪郭を整えながら
賢者の名札を奪い合う


古い機械仕掛け
仮想の夢は進化を夢見る
そう臨界点はまだ越えること無く
転がる慟哭を再生する



誰の為に呼吸を数える
誰の為に無意識の薬指を青く光らす

アークする衝動
刻まれる意図は揺れ動いて透明を濁し


約束の無い終わることの無いアンダンテ





ラテンの猫は半見の夢に鳴く



自由詩 摩 訶 Copyright 北星三天 2009-10-03 22:50:39
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