不可侵領域
kauzak

樹木のふりしたブロンズの支柱から
つり下げられた
仄かな風にそよそよと揺れるシルク

柔らかすぎる壁の中に
たたずむものは何だろう

揺れるシルクの隙間から
薄茶けた蝋のような
立体が見えたような気がするけど

見てはいけないもの
のような気がして
すぐに意識から滑り落ちた

そよそよとシルクは揺れ続けている


自由詩 不可侵領域 Copyright kauzak 2009-10-02 23:18:46
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