浮舟
ことこ
手の甲ではぜる、雨粒の
ふれた先から
鈍い痛みをかかえだす
埋もれる町並み
*
葉脈からめぐる
漸近線は
まのびしたまま
行方知れずへ
*
花を手折るように
まあたらしい祈りをささげる
ふりかえると、曇り空
岸を離れた小舟がみえた
自由詩
浮舟
Copyright
ことこ
2009-10-02 19:01:38
縦