秘恋
乱太郎

時間を鎌で切り裂く事が
出来たなら
僕は君を独りにしなかっただろう
太陽が目隠ししたままで
いてくれたら
僕は君のうなじに
炎を吹き掛け続けていたのに
罪なのは
君の柔らかな語りではない
僕ではない僕の下半身なんだ
教会にはあまり行かないが
マリア様のことだけは知っている
亡き母のようだったと
そして
ここに肩を並べた君がいる

君の薄紅色に塗られた空がでてきた
闇夜が泣く前に
僕はとりあえず帰らなければならないが
君の悩ましい姿は
網膜に張り付いたままに違いない
此処を出たあと
狂ったように
太陽を呪うだろう
そして僕の身体は
鉛になってしまうだろう
君の錬金術でまた
僕の身体に魂を吹き込んでほしい
また来るよ


自由詩 秘恋 Copyright 乱太郎 2009-10-01 12:47:51
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