道連れ
こしごえ
わたくしを。連れ去って下さい
宙をさす断崖の花
月虹の門はひらかれている
太陽風の遺伝子がほとほとと
あるく雲の上へ
声のみする、するする
夏の産声よ!秋に実るか
わたくしを。不問にふすなんて
そうとはしらず
額縁に素手をそえて
みつめかえす黒い瞳は底も無く微笑している
視線の先には窓の外の
青空と初夏の雲
いずれふる
わたくしを。映している
いにしえの果物のかおる部屋に
焦点がちいさくとおくふるえている
いまにも星星を零そうと
あちらこちらへ
すすりなく
直線のをんなは音符を吸い
すんだ声とともに
闇を聞く
季節は逆もどりし
種子を蒔いたの。たとえば、
そこの銀杏がそう
わたくしはねむる
あなたといま