内響
松本 卓也
言葉は発するそのたびに
重さを無くすものだろう
夕暮れを黄昏と言い換えて
寂しさを知ったフリをした
恋情に過去を積み重ね
大切さを説こうと試みた
引き出そうとする単語は
聞き覚えのあるものばかり
少し組み替えてみたとして
意味を無くして沈みこむ
其処に今が存在しない
何処にも言葉が届かない
虚しく心を反響しては
やがて消え失せ行くばかりで
自由詩
内響
Copyright
松本 卓也
2009-09-30 00:07:10
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