今日最後の光が
暗闇に飲み込まれる時
僕の左側は
ありふれた原風景に帰りたがる
無闇に掻きむしられた
胸の裏地のヒリヒリを
残業前のコーヒーブレイクで
なだめすかす

今日最後の痛みが
暗闇に溶け込もうとする時
僕の右側は
不様な背泳で逃げ出したがる
背中に打ち込まれた
いくつものピリオドを
見咎められないように
お茶目な土左衛門

Twilight

束の間の薄明りの中で
泣き別れの左右の僕に取り残された
真ん中の僕は苦い水で
がらんどうを満たそうとする

Twilight

束の間の薄明りの中でしか
ファンタジェーンの扉は開かないけれど
三枚におろされた僕の
行き着く先は見慣れた未来