縛られる
あぐり
金縛りにあったという夢をみた
金縛りにあったという/それは現実かもしれないが
誰が夢と今を切り離しているか、と問えば
それはおそらく(やっぱり)私の剃刀なのです
感じてる 重み
動かない 手
まるでこれはどうしようもなく現実の呼吸で
だから私は 夢だ と呟いてみる
あからさまな虚弱
意思疎通は不安
実りならぬ秋の空を歌えど
ほら もう 時計が進んでいるすすんでいる
(現実に散る)
ごふんかどうかもわからない金縛り
目だけを動かしている
わたしは滑稽だろうか
本当に此処は私なのか
否、もう規則的な鼓動など望めないのかもしれない、ないよ、もう
だってまるでこれはどうしようもなく現実の呼吸で
(おかあさん あなたのきれいすぎるえみのようだ)
雨水が垂れてくると
頬が感じたそれは
わたしの横でずっとわたしを、わたしだけを、わたしのわたしのわたしだけを
見つめていたあなたの柔らかく冷たい
体液、だった。
金縛りにあったという
それは
縛られる意識であった
感じてる 痛み(いたみ)
どうしようもなくまだ生きている