水色スケッチ
佐野権太

空はどこまで
ってきく君の
求めている答えは
わかっていた
あのとき
君の肩は細くて

花びらを
青い水に散らして
一文字ずつ撹拌する
結実してしまうものが
何もないように

きれいね
ってつぶやいた
僕たちの銀河
しばらくは回っていたよね

水のくぐる音がして
なんども
風が巡って
そうして
光のあたる角度が
少しずつ変わってゆく

髪を束ねるときの
君の
やわらかい仕草が
すきでした

ありがとう
ってはにかむ手を
握ろうとして
うすく遠ざかる
空に
あれは
水色の雲





自由詩 水色スケッチ Copyright 佐野権太 2009-09-28 12:40:45
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