キバナコスモス
西天 龍

それがコスモスだと気づくまでに
少し時間が必要だった
黄金色と言えばそれまでだけど
一番君にふさわしくない色

去り行く夏を心から惜しみたいから
毅然とした秋の気配に少しでも抗いたいから
君はそうして咲いていると信じていたし
事実、色も咲き姿もとても似合っていた

なのに君は金色に染まっている
大人への歩みを毅然と進める君に
「似合わない」と少しでも抗いたいけれど
気がつけば、君は違うコスモス

ぼくの好きだったコスモス
色も咲き姿も、とても好きだったコスモス
せめて
その記憶をなくさないで欲しい


自由詩 キバナコスモス Copyright 西天 龍 2009-09-26 22:10:22
notebook Home