おやすみの前に鉄のきりん
草野大悟

ずいぶん長いこと見つめてるけど
ひと思いにパクッとやっちゃえば
四年前まで首を伸ばしてパクッと


     いやあ照れるなあ、おれ
      そんなに見つめられると
       心臓破裂しそうになるよ


  うまれは溶鉱炉のなかさ
   熱いなんて思わなかった
    どろどろになってながれ
     真っ赤に溶けてながれ


四年前の長さに首を伸ばせ、きりん
きりん、その一日だけをパクッと食って
見つめすぎた季節に幕を引け


  ていうかあ上から目線で言われてもねえ
   おれ、きりんよきりん、しかも鉄なの
    そこんとこ分かっているわけ



       そう、おいらの一日は間違ってないもんね。だれだっていつだってこの国に寄生している限り、だれだって、そう言うモンネ。
間違ってない。


すこしばかり涼しくなったね
そうですね、すこし、涼しくなりましたね
もう寝る?
はい、もう寝ます。
おやすみ
おやすみなさい・・・・・













自由詩 おやすみの前に鉄のきりん Copyright 草野大悟 2009-09-25 23:13:46
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