黒い空の下では今日も少年は掴み取る為に走り続ける
こめ

小さな星が僅かに光る

近未来的な都市で

黒い煙に包まれて消える

電話の向こうで話す人間は

どのような輪郭の持ち主なのか

君の首を絞める夢を見て

いつも起きる時は冷や汗が

にじみ出てベッドはびしょびょに

濡れていた

耳鳴りが消えないのなら

まず先にその機械を壊すべき

誰もいなくなった街は

白い花を中心に静かに呼吸していた

そんな世界に何を望む

無駄なことなのに

毎日神に祈り続ける

もう無理だこれ以上は走れない

この前見えたあの景色を

もう一度だけ見たくて

走り出したけど

届かないいくらこの腕を伸ばし

手をさしのべても

つかみとることの出来ない

残像に追い付こうと

また今日も懲りずに走り出す

空はもう汚染されて

青い空何てなんかの冗談だろうと

おもわれている時代に

黒い空の下では今日も少年は

掴み取る為に走り続ける


自由詩 黒い空の下では今日も少年は掴み取る為に走り続ける Copyright こめ 2009-09-23 23:58:42
notebook Home