3ヶ月前
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入社した会社に慣れてきた
しかしクーラーにはすっかり、
ぐったりボウズで、
ついでに彼女と別れ
観覧車に乗る機会がなくなったので
死の恐怖が僕からどんどん遠のいていって
人生がつまらなくなるくらいに…
そう、安心してしまっていたんだ
そういうわけで上司のeメールアドレスに
俳句を書いて送ってやるのが最近の僕の日課になっていった
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人柄のいい上司(赤いメガネが特徴的)は最初は「良いねえ」とか
「やるじゃん」とか言ってくれたけど、僕が遊んでばかりいるので
「たまには仕事しようよ〜」と言ってコーヒーのコースターを
頭の上に乗っけてきた。
そのときに思いついた俳句はこうだ
沼に浮かぶ河童
クーラーに弱い、皿が乾く
お願いだからやめて
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上司は仕事中よく秋葉原にいく。
その間、遊び相手がいなくなって暇な僕は
俳句の題材になりそうな情景を探して、
デスクの上を、人差し指と中指で歩いてみた
とっとっとっとtっと…
スーパーマリオの鉛筆削り、の上に指が飛び乗る
梨も見えてきた、梨に鉛筆が刺さる
あまり意味がない
思わずGoogleで[俳句]と検索をかけてみた
hype
hype /hάɪp/
―【名】【C】 《俗》
1 皮下注射針.
2 麻薬常用者.
何かが違う、慌てて打ち直す
俳句(はいく)とは五・七・五の音節から成る日本語の定型詩であり、
世界最短の詩である。俳句を詠む(作る)人を俳人と呼ぶ。
どうやら俳句というのは五・七・五の音節から成る日本語の定型詩、
だと言うことが分かった。
マズイ、上司がきた!
「進んでるかな〜?」
僕は、慌ててIBMのノートPC を閉じ、
その上に突っ伏したまま上司を見上げた。
あ!
え?
嘘でしょ?
その瞬間、僕はとんでもなことに気がついた。
上司は頭からブラジャーを被っていたのだ。
紐はあごのあたりで結んである。
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この日、この時間をもって、僕の、
俳句を必要としない人生が始まった。
あ、すみません、ノルマ、今終わらせます。
しかし、目覚めたとき、
そこは既に刑務所だった。