いつか古田が握手をする日
umineko

多くのヒトにとってみれば
他愛のないスポーツニュースに違いないプロ野球
ストをするとかしないとか
チーム減るとか消えるとか
よくある合理化
よくあるリストラ
別にたいしたことじゃない、と
うそぶきながらビールを飲む全国3000万人の
おとーさんにささげます

この顛末でもっとも核になる1シーン
それは
交渉終わって記者会見で
どっかの偉いヒトとヤクルトの古田
あーでしたこーでした、と結果を述べて
で、会見終わって
立ち上がる両者
するとどっかの偉いおっさんが右手を差し出す
握手を求める
いや
それはちょっと、と
身悶えする古田

ココですよココ!
ココに日本の縮図があるね

おそらくね
彼らの主張は通らない
まあちょっとはかわるでしょうけど
合併は成立してるんですよなんでやめるんですか、と
日本中の経営者は思ってる
おそらく
どーでもいいのだプロ野球がどうなろうと
プロホッケーがどうなろうと
プロ卓球がどうなろうと
オーナーたちには関係ないから
  
利益を生むのに合理的か、と
  
その1点で動いているから
何の疑問もありません

それ以外のモロモロは
やれ文化がどうとか社会的財産ですとか
関係ないもん偉いヒトには
交渉とか話し合いとか
どうとでもなるんですよこれはかたちだけですよ
それが
あの握手の意味で

だから古田君キミもいっしょに
この日本的な大団円を
ルールなんてないんですよアンパイアも人間で金メダルもエモーション
誰もが

世界にはルールがないと
知ってしまった1シーンだ
法律もすべて細則で曲げられると
そろそろ小学校で教えてくれてもいい

ストをしてもしなくても
握手をしてもしなくても
たとえ国会議員が全員熱病でダウンしてても
今日はスーパーの特売で
あいかわらず地下鉄は混んでいる
そんな今日を

そんな今日を
君と生きよう

せめて小さな
夢の隙き間で





自由詩 いつか古田が握手をする日 Copyright umineko 2004-09-12 22:09:57
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