ピグモン(怪獣詩集)
角田寿星


(おとなりのワンちゃんは犬次郎といって
 生れたときから
 ネコとばかり暮らしてきたので
 自分がネコだとかたく信じています
 イヌがやって来ようものなら別の動物ということで
 ワンワンほえて威嚇します
 おしまい。)

ピグモンは小さい
ピグモンは小さい子供の背丈くらいしかない
ピグモンは小さい子供の背丈くらいしかなくて風船持ってる
ピグモンは小さい子供の背丈くらいしかなくて風船持ってて人間となかよし
ピグモンは小さい子供の背丈くらいしかなくて風船持ってて人間となかよしで可愛い
ピグモンは
ピグモンは怪獣だ

ピグモン死んだ
人間たすけて死んだ頼まれもしないのに
レッドキングの投げた石にプチチと潰された

ピグモンなかよし
怪獣酋長ジェロニモンは地球を征服するのに
死んだ怪獣たちを生き返らせたその手始めに
何を思ったかピグモンを生き返らせた
(怪獣の考えることはよくわからない)
ピグモンは当然のごとく人間の味方について
身の丈50メートルの怪獣と闘って
せっかくもらった命をまた散らした

ピグモンは
どうして人間をたすけようとしたんだろうか
人間は
ピグモンにたすけられる資格があったんだろうか

一説によれば
なきがらとなったピグモンの魂を
薄暮のむこうへ運んでいく銀の影があったという

あれは
ウルトラマンだったんだろうか


自由詩 ピグモン(怪獣詩集) Copyright 角田寿星 2004-09-12 08:05:29
notebook Home
この文書は以下の文書グループに登録されています。
怪獣詩集