掌に
ミツバチ

泣いているの?
きみが破り捨てた祈りが
わたしの掌にうずくまって
ぽろぽろと涙を溢している

こっちにおいで
抱き締めてあげる
温かい体温で
全てをのみこんであげよう

子供の頃見ていた
美しい世界は幻で
現実を詰め込んだ頭には
夢を語れない

魂の犠牲の上に
文明を築き
利益を追い求めた先の
地球の悲鳴が鳴り止まず
先生わたしは大人になってしまったのです


無邪気に笑いあった時間は
もう遠い過去





泣いているの?
きみの破り捨てた祈りは
まだ掌に

抱き締めてあげよう
わたしが全てをのみこむから



自由詩 掌に Copyright ミツバチ 2009-09-17 14:02:30
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