「雨ニモマケズ・・・」
月乃助



風来は たいふうの
すきほうだいに 人をもてあそぶ
 
時雨のあらがいようもない 
もうまわりは すっかりうす暗がりで、
背にする重たい気圧 に 青ざめてしまうほどに
息をひそめ すすりなく 午後

雨ニモ/風ニモ/夏ノ暑サニモ 負け
とまどい 世の黄塵にうしない続けて きた

ヒガシニ/ミナミニ/ニシニ/キタニ
顔色をうかがい 途方にくれた日

それなのに、彼のように
イツモ シズカニ ワラッテヰタ 

暗い足元からの 水のひろがりにあえぎ
おのずからの 声におびえた夜 
でも、もうよいのかもしれない
あきらめても…

…… …

…いや、

いいや、そこへ隠れこむな
そうでなく、跳ねあがれ 驚いたさかなのように
たかく とびあがれ
はるか に どこまでも

雨に手をのばせば、
石のように泣くのは、もういやだ と
いやだといって よいはず

できあいの衣の 袖をちぎり
こぶしを握りしめ 見据えた
明日を なぐりつける めちゃくちゃに
暴風 雨の中に身をおどらせ たちむかう 

にらみつける

台風の目へ、








自由詩 「雨ニモマケズ・・・」 Copyright 月乃助 2009-09-15 01:57:18
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