「雨ニモマケズ・・・」
月乃助
風来は たいふうの
すきほうだいに 人をもてあそぶ
時雨のあらがいようもない
もうまわりは すっかりうす暗がりで、
背にする重たい気圧 に 青ざめてしまうほどに
息をひそめ すすりなく 午後
雨ニモ/風ニモ/夏ノ暑サニモ 負け
とまどい 世の黄塵にうしない続けて きた
ヒガシニ/ミナミニ/ニシニ/キタニ
顔色をうかがい 途方にくれた日
それなのに、彼のように
イツモ シズカニ ワラッテヰタ
暗い足元からの 水のひろがりにあえぎ
おのずからの 声におびえた夜
でも、もうよいのかもしれない
あきらめても…
…… …
…いや、
いいや、そこへ隠れこむな
そうでなく、跳ねあがれ 驚いたさかなのように
たかく とびあがれ
はるか に どこまでも
雨に手をのばせば、
石のように泣くのは、もういやだ と
いやだといって よいはず
できあいの衣の 袖をちぎり
こぶしを握りしめ 見据えた
明日を なぐりつける めちゃくちゃに
暴風 雨の中に身をおどらせ たちむかう
にらみつける
台風の目へ、