四行詩四態 <8>
nonya

「予」


予め渡されたまっさらな空に

どんな雲を描いたって勝手だけど

思い込みの風力のぶんだけ

天気予報ってはずれるんだよね




「定」


定まった行先へ向かうバスの

定まりかけた速度が落ち着かなくて

定まらない視線で明日の事だけを考える

定まっていく景色を眺めながら




「調」


調えなければいられない悪癖を

理数系などとおだてられたお調子者が

乱調なメタファーを垂れ流す音は

裸の王様の鼻息にも似た哀しい調べ




「和」


酸いも甘いも花も嵐も地獄も極楽も

同じキャンバスの上で暖かな風景にしよう

牙や棘や毒針や鉤爪やたまに言葉も

同じ両手鍋の中で和やかなスープにしよう





自由詩 四行詩四態 <8> Copyright nonya 2009-09-14 19:10:46
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