震える
猫のひたい撫でるたま子
いつのまにか消えてしまったいくつかのことの、そのどれかを鏡の隙間に見つけてしまい
それは私じゃない
もう違う
ここもあと少しで
堕ちる、大切にしていた
どうせ朽ちるのなら、いまここで壊してくれよう
どこに消えたあの感情、就寝服に顔をうずめてぬぐった
雪に溶けた
いま
未だ沁みて乾いてカサブタのようにほくそ笑んでいるあの傷は、赤かった
誰が言えるの?
自由詩
震える
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猫のひたい撫でるたま子
2009-09-13 02:05:20