とんび
西天 龍
鳶が蒼空に浮いている
巧みに風を孕み
見えない凧糸に操られるように
蒼空に浮いている
瞬間、バランスを崩して墜落する
そして上昇気流
寸分違わず元の位置に戻り
また風を孕む
狩のためではない無目的なリズムが
とても心地よい
浮遊と自由落下のためだけの
力強い羽音
鳥と蒼空と風に目的を問うこと自体が
不遜で無目的だ、
そんな風切音で我にかえったとき
内なるメトロノームがもう一度、動き出す
自由詩
とんび
Copyright
西天 龍
2009-09-11 11:10:08
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