Concourse/叛乱
月乃助
色のない街は、
誰もがうつむき同じ顔をつくる
雑踏の行きかうコンコースの黄泉
かぎりない人たちが 少しもかわらぬ服をまとっている
はてなく続くエスカレーターの無限階段
つまらない行き先の電車にのりこむ
プラットフォームは、なげだしたくなる混雑の
いつもの人波の海原殺風景
あたしは、その光景の 一かけらなんかじゃない
違うといっても制服のカバンをもったあたしは
背をまるめるて日常の怠惰に迎合してしまうから
単色になった心は、漂白する街を かってに無色に眺めては
ためいき
そうじゃないんだって
だけど、
あたしだって どこにでもいるような
白黒コピーなんかじゃないんだ ぜったい
だったら、
人波の黄泉の街 から
サーフィンさながらぬけだして
良い子なんか ばかみたい
あらがい泳ぎ出す
雑踏の波に、
肩ぶつけられて くろうするけど
それでも、くちびるをかんだまま
時に、にくまれぐちをたたきながら
時に、よわねをはきながら
前を向いて 歩きつづける
求めるものを ふたつの瞳で見つめては、
後悔など知らない
学校の帰り
ヒールの靴音をわざとたてて歩く コンコース
暗いトンネルのむこうまで 鳴りひびく
セーラーふくからの
叛乱のきざし の心地よい、