D.I.Y.主義
ゼロスケ

倦み果てた。何もかも倦み果てた。来ぬものか、陶酔のその時は。

にび色のアスファルトに映える月は虚像であった。
この世は、私には、紙を貼らない銀色フレームに感じられた。
未完成なのではないか? できるだけ急いで作り、
月の鏡像の上、棘意識の空白の上に建てて欲しい。

人夫は砂と砂利とセメントを混ぜる。
その櫂の名前を教えてくれ。
スーパーマーケットで買ってくるから。

あまねく人夫はどうやって混ぜていたか? どこで?
大手工務店に頼むのだっていい、
だが他人任せにして状況が良くなることが、
これまでの人生にあっただろうか?

選択はいつも自ら行ってきた。そのように信じる。
でなければとても生きては行かれないだろう。
信じ切れた者だけが、レティクル座行きの列車に乗れるのだろう。

信じ切られなかった君たちはいま、どうしている?
水ヨーヨーのような眼球で、幹線道路の太陽を仰いでいたのを、この前見た。


自由詩 D.I.Y.主義 Copyright ゼロスケ 2009-09-08 05:08:15
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