キリスト
ゆりあ

「痛い。」
「え、ごめん痛かった?」
「うん、でももっと痛くしていいよ。」


みんな知らない
私がこんなにも死にたいということを

みんな知らない
私がこんなにも彼女が好きだということを

みんな知らない
私がこんなにも神様を信じているということを


みんな、何も知らないんだ
でもわからなくていいこんなこと

きっとみんな神様が見えていないのね
太陽の向こう側の天使を知らないんだわ
それを不幸だとは思わない
むしろ
そんなの知らなくてもいい

でも私はどうなるの
私にとっては重要なことなのに
悪魔に連れて行かれて
もう地球での生き方忘れた
もう月に帰りたいよ
月の王子に会いたい
月の冷たい温度に触れたい
地上のかわいい女の子を一人だけ一緒に連れていきたい


なんだかロザリオを買ってから
不幸なことばかり起こる
お母様に逆らったからかしら
どうしよう

私は間違いを繰り返す

私を好いてくれる人間に唾を吐く

痛みが好きだから、痛みばかりを外から集めている
痛みに従って、生きている
なにかに従うことはきっと、幸せ


「それ変態って言うんだよ。」
「うん、知ってる。早く、キリストの処刑のところ、読んで。」


高2の頃小さな書店で買った聖書を手渡す

「なんでいつも聖書読ませながらなの。」


だってその方がいけないことしてるって気がして、楽しいでしょ。神様ごめんなさいって。

あの娘は私がこんなことをしているなんて、知らない。


自由詩 キリスト Copyright ゆりあ 2009-09-08 03:51:41
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