THE END OF THE WORLD
ゆりあ

私顔が汚いって
AV女優みたいな顔してるって
「どういう意味」
「どういう意味、というかとりあえず褒めてはない」
「何それなんかむかつく」
神様、佐々木クンはひどいことを言うんです

神様
新しいメモリーカードが必要です
この世界が壊れてしまうような
そんな女の子のメモリーカードが
私の背中に差し込んでくれますかドクター

ふと空を見ると
あの娘の顔が雲の中から見えた
そっか
あの娘やっぱり天使だったんだ
でもすぐ消えちゃった
灰色の空は不吉な予感



今日おじさんにあの娘とお揃いの大きな十字架のネックレスを見られた
「何それ悪魔払い?」
汚い手で十字架に触れようとした
「やめて触んないで」

十字架をぎゅっと握りしめながら家に帰る
真新しいマンションの前まできて十字架を外してスクールバッグの中に急いでしまう

お母さんただいま
夕飯いらない

夕飯もいらないし先生もお母さんも友達も彼氏もお金をくれるおじさんもテレビも学校もみんないらない

あの娘だけいてくれれば私はいい、と雨の日の神様に願う

でもこんな日々も
いつか消えてなくなってしまうってことくらい知ってる
私は誰かのレプリカになってあの娘と会うこともなくなって周りの男に媚び売って生活するんだ
そんなことになる前に
私を殺して

それでも私は
レプリカの方をなんの迷いも無く選ぶ


自由詩 THE END OF THE WORLD Copyright ゆりあ 2009-09-07 02:14:45
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