40゜
瑠王

太陽が
沈むまで
君のために祈ろう
あと40゜
君に祈るのに
残された時間は
あと40゜

君は
死ぬのかもしれない

それとも
ただ
立ち去ってしまう
のかもしれないし

明日の日の出には
また
おはよう、と
ただ挨拶を
交わすのかもしれない

それでも
君との一日は
あと40゜

沢山の事を
言いそびれないように
ひと欠け
ひと駆け
握りしめてきたのに

傾いていく影に
呟くばかりで
幾周も
幾周も
二人
転がってきた
集約をたったの
40゜で
こたえなきゃならないのに

終わらない
コーヒーカップみたいに
自転速度を
はやめるばかりで
時を止める
術を知らず
鐘はなり
既に音楽は
途切れかけてる
四重奏

残された時間は
あと40゜
地平が目を
瞑るまで


肩越しに影後退ずさ
次第にとけた
君の日

全てが
終わったあとで
追いかけてきた
月が
言うだろう

もういい加減
おやすみなさい、と
白い御手は
あまりに
冷ややかな鋭角

あとは
ひたすら
さようなら、




自由詩 40゜ Copyright 瑠王 2009-09-06 23:54:59
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