最後の恋
森の猫
真冬 心臓を射ぬかれた
彼は舞台の上で輝いていた
視線が釘付けになる
必死で名前を検索し
ブログにつきあたる
それからは、毎日ブログに
アクセスし、
”ファンです”とコメントを書いた
夏 心の勢いは止まらず
彼を追いかけ
同じ舞台に立ってしまう
無謀だ
舞台に立つ
彼の首筋は少し汗ばんで
愛おしい・・・
たぶん
誰にでも優しい彼の言葉は
わたしのあたまのなかを
いっぱいにするにやさしい
アイドルじゃない
でも
舞台の向こうの人
線を引かなくちゃ・・・
そう思いながら
わたしは
今日も
家族のために
野菜を刻む