四行詩四態 <6>
nonya


「観」


部屋の片隅に置かれたポトスのように

見落とすことも出来たはずなのに

僕はうっかり君と正対してしまった

君のいとおしい傷跡を観てしまった




「葉」


やたらに光を欲しがって

酸素のゲップを撒き散らす

我儘な方向に我儘の数だけ

やんちゃなベンジャミンの癖毛




「植」


希望とサンスベリアを寄せ植えする

昨日とマイナスイオンを寄り添わせる

中途半端な優しさをやり過ぎて

性根を腐らせないように気をつけよう




「物」


ティーカップの縁にこびりついた物

ガジュマルの葉裏にとりついた物

ディスプレイの点でつづられた物

フェーンの熱風ではぐくまれた物




自由詩 四行詩四態 <6> Copyright nonya 2009-09-05 11:53:33
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