四行詩四態 <6>
nonya
「観」
部屋の片隅に置かれたポトスのように
見落とすことも出来たはずなのに
僕はうっかり君と正対してしまった
君のいとおしい傷跡を観てしまった
「葉」
やたらに光を欲しがって
酸素のゲップを撒き散らす
我儘な方向に我儘の数だけ
やんちゃなベンジャミンの癖毛
「植」
希望とサンスベリアを寄せ植えする
昨日とマイナスイオンを寄り添わせる
中途半端な優しさをやり過ぎて
性根を腐らせないように気をつけよう
「物」
ティーカップの縁にこびりついた物
ガジュマルの葉裏にとりついた物
ディスプレイの点でつづられた物
フェーンの熱風ではぐくまれた物