虚実と無理心中
笹子ゆら




どうしても認めたくない
何が正しくて間違っているのか
私の口から着いてくるそれは
虚実などではないと断言できるのか


何を言っているのかわからない
聞きたくもない
気付きたくもない
卑しい音だけが沸きあがって
私を 潰す


あなたの螺子が外れる。私の螺子と入れ替える。ゆるゆると外れて、油も切れて、回すと同時に腕も外れる。あなたの眼差しが光を奪った。私はキスを求めた。あなたは何も言わず、酸素だけを吸い取って、泣いた。



冷ややかな視線
縫い合わされた唇
いつかの嘘が心の中で渦巻いて
善悪を失くした


わたしという名の偽善者が謳った生命を
早くあなたの手でもぎ取って
一刻も早く 殺してよ



死にたいわけじゃないけれど、足りないから。その指先がこの首に食い込むのを、待っているよ。


自由詩 虚実と無理心中 Copyright 笹子ゆら 2009-09-04 20:57:54
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