本日は晴天なり
吉田ぐんじょう

朝寒あささむや子宮の奥へしのびこみ


初秋の路上に晩夏わだかまる


塗りたての青あざやかに秋の空


コンビニで桃缶さがす風邪の人


ほおずきが臓器のようにおちている


盆過ぼんすぎにまちで故人とすれちがう


心臓と同じ重さの梨くらう


サヨナラと同じ色して秋は暮れ


玉葱を刻む手を止め月を見る


皿洗う指に夜寒よさむのしみてゆく



(字余り)

夜食喰うおおきくなって星を捕るため

捨て団扇にジャニーズの顔笑ってる

面接に落ちた夕暮れ桔梗咲いてて

漂鳥ひょうちょうを追いかけ迷い帰れぬ夕べ






俳句 本日は晴天なり Copyright 吉田ぐんじょう 2009-09-04 17:29:17
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