「未来紀」
月乃助
うつろな姿に 果てる
自然を消耗し 切り崩す手で
織り成し 製造してきた
驕りのあまたの 過去世につづった史暦を
科学と呼ぶなら
未来圏に向かって 誰も知らぬはずの新たな
法則の検索
引力から解き放たれ
光や水や風からの
力の供給さえも 追い越せるはず
コピーなどの亜種でなく
まったく新生種の
森や海や星や細胞や
自然それ自体を創造する 鋭気
未だに暗く 保証などされぬ
けれども
誰がいつどうやって なすべきなど 考えず
歩みを始める
光を抱いた螺旋の遺伝志 に
からまり進む道行き
夢想し 期待をかける
閉塞などでないはずの
未来紀へ続く道