月鳴夜
瀬崎 虎彦

繭の中身を確かめに
ヴェランダからするんと
カーテンを伝って降り
君の夢へ移動する

月無き夜のこと
君の小さな体に
無数に穿たれた
秘密の森のこと

心に生い茂る銀色の
すすきの様な背の高い
葦の向こうに君の足あと

窓越しに君の寝顔を
霧/切りという君の歯ぎしりを
うっとりと愛す夜のお話


自由詩 月鳴夜 Copyright 瀬崎 虎彦 2009-09-02 00:08:22
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