焼心
ふくだわらまんじゅうろう

おっぱいはんぶん
見えてるよ
だけど君の向こう側には
夏の終わりの夕陽が沈もうとしているのさ
古びた桜並木の崖は高台の端っこの
カーブのガードレールに腰掛けて
おっぱいはんぶん
見えてる赤いシャツを着て
だけど何も考えていない風な
笑顔をいっぱいの君は
夏の終わりの風に吹かれて
さらりとその黒い髪、靡かせて
だけどぼくは君に恋しているのさ
どうしようもなく恋しているのさ
古びた桜並木の崖の
桜の花なんて咲いてない季節の
夕陽が遠くの山並みに沈もうとしている
だけどこの高台の端っこの
ガードレールに腰掛けて君は
笑顔いっぱいでぼくの
ぼくの心臓を突き刺しているのさ
クラスでいちばん背の高いおんなのこ
おとなみたいなおっぱいをはんぶん
見えてる赤いシャツを着て
夕方の風に吹かれている
長いさらさらのスカートをだらしなく
おとこみたいに片足、かけて
君の向こうで夕陽が燃える
ぼくの心臓も同じくらい燃えているのさ
おっぱいはんぶん
見えてるよ
だけどそんなこと
いえなくて
いえないんだけれど
君の向こうで夕陽が燃えて




自由詩 焼心 Copyright ふくだわらまんじゅうろう 2009-09-01 21:49:02
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