四行詩四態 <5>
nonya
「百」
百のざわめきを虫取り網で追い回して
百のつぶやきに釣り糸を垂らして
百のウソと百のホントを掻き分けて
たったひとつの詩の言葉を探し求める
「鬼」
君の笑顔の裏地に巣食った
哀しみの形をした暗闇
僕の溜息の行間に潜んだ
人ではない形をした憎しみ
「夜」
あやふやになった輪郭から
うっかり流れ出した意識が
3ブロック先の袋小路で
ぼんやり月を見上げている
「行」
たとえどんなに居たくても
たとえどんなに痛くても
行かなければ変われない
行かなければ帰れない
自由詩
四行詩四態 <5>
Copyright
nonya
2009-09-01 21:37:40